歴史系ジョークブログ(仮)

名前のまま歴史系ジョークを主に掲載するブログ。気まぐれ更新。

信長の野望大志PKレビュー1

「PK商法」という言葉をご存じだろうか。

PKとは「パワーアップ・キッド」、要するに特大追加版(5000円程)のようなものである。つまり、ただでさえ高めな原作を敢えて八分の出来で販売し、半強制的に高価な追加版を買わせようという外道の商法をそう呼ぶのである。

しかし我々ユーザーはそんな越後屋もかくやの悪徳商法にも慣れ、最早PKは必須の物だと割り切っておりました。つまりゲーム一本約15000円。狂ってます。ところがどっこい最近のPK商法はそんな我らの妥協点すら超えてしまっており、六分の出来の原作に追加(PK)を足して八割、そして一年ほどたって「完全版」が出るという長篠を彷彿とさせる三段構え。愚直に突撃した我ら(ユーザー)を容赦なく撃ち殺してくれます。

 

そんなPK商法の開祖にして総本山、「信長の野望」シリーズがまたまたやらかしてくれました。二月十四日発売、信長の野望大志PK」(以下大志PK)です。

このゲーム、元々(PK以前のいわゆる「通常版」)随所に光る所を持ちながらもそれ以上にシステムの不足が目立ち不評だったのですが、さてPKが追加されどうなったのかというと何も変わっていません。どれほど変化が無いかというと、通常版の際に行われた無料アップデートの方が変化が大きかったレベル。先ほど「六分の出来に追加併せて八分」と言いましたが、このゲームに関しては追加版併せてようやく六分。新作を出すたびにハードルを華麗に潜り抜けていくスタイルには一種の感服を覚えます。というわけで5200円の超大型有料アップデートの結果何が変わったのか、私の体験を元に(=主観的に)紹介します。

 

良い変化

・「大命」の追加

 個人的に追加要素の中で一番の目玉、それがこの「大命」。年に何回か行われる評定を通じて溜まるポイントを使って一時的に有利な効果を発生させるシステムなのですが、このシステムの見どころは固有の「大命」。元々の売りであった「大志」システム(大名家ごとの個性の様なもの。例えば織田家の「大志」は足軽隊や鉄砲隊が強くなる)」と連動しているため大名家ごとの個性分けに貢献しており、歴代シリーズと比較しても新鮮な気持ちで周回プレーが出来ます。

・委任のシステム強化

中盤以降、拠点が増えていくにつれて一つ一つの拠点の管理が難しくなるのは戦略シュミュレーションの宿命ですが、本作は非常に細かいところまで委任が出来るので、中盤以降も拠点管理がおざなりになりにくいです。

・攻城戦が詳細に

城主に対して各種降伏を促せる「交渉」コマンドの追加によりある程度の戦略性が生まれました。ただ肝心の攻城戦そのものは「創造PK(三年ほど前のシリーズ)」にかなり近い。無論通常版と比べたら雲泥。

 

悪い変化

・固有の「大志」がほぼ増えていない

「大命」の項でも述べた通り、このゲームにおいて固有の大志、及びそれに連動している固有の大命というのはゲームの売り、というか軸であり、一番充実していてほしい所。ところがどっこいその種類は通常版と比べてもほぼ変化なし。そのため、今作は大坂の陣までを扱うにも関わらず、豊臣政権下で大名になった有名武将には固有の大志は与えられていません。

 

・相変わらずの人選の謎

上記で述べた通り、有名武将であっても固有の大志が与えられているわけではありません。しかしその一方で、明らかに不当な人物に凝った大志(及び大命)が与えられている場合が多いのなんの。例を挙げると、

・小田家(関東の小大名)や安東家(東北の小大名)等のマイナー大名

立花宗茂真田信之等のゲーム内シナリオではほぼ大名ではない人物

竹中半兵衛真田幸村等の大名になったことの無い人物

ちなみに「大志」及び「大命」は大名自身の物のみを参照する為、武将が持っていてもクソの役にもたちません。彼らの大志を使いたいならば彼らが大名になる架空シナリオをプレイするか無理やり一門にして譲位して後を継がせるしかありません。幸村はともかく半兵衛が羽柴家を継ぐなんて展開は異世界に行っても見られないと思うのですが、それしか手段が無いのだから仕方がない。

 

・イベントの仕様

今作のイベントは従来の「桶狭間の戦い」等の大名家そのものに起こる物とは別に、「言行録」なる武将個人に発生するイベントがあり、それが中心となっています。このイベントそのものは面白いのですが、正史イベントとは違い、発生条件も分からなければ時期も未定なので、集めるのが非常に難しくなっている。というか、武将を主人公としてプレイできる「戦国立志伝」で実施すれば問題は無かっただろうに・・・

 

えー、本当は「固有の大志少なすぎ!って訳で大志を自作してみたよ」みたいな流れにしようかと思い、実際に前田利家の「大志」を作ってみてたんですが、思った以上の文章量(=不満点)になってしまったので、今回はこの辺で。