替え歌法律シリーズ1
目指せ法律マスター
替え歌法律シリーズ1
認めてた 所有する意思 過失ない善意で
平穏に 十年の占有が所有を私に移す
20年の時が過ぎた ここはきっと 悪意の占有 実って
かつて善意で有した 占有はどんな瑕疵纏っても 振り払ってく
逆に小さな悪意 受け継がれて しまう 善意 なのに 継がなければ
時効期間 10年でいけた
長い占有行う時は そう公然に
待っていた 消滅時効 消えれば全て
無くなって 払いようもない膨大な債務も消える
眼を閉じ 期間を待った
それはいつも 起算点違えど 10年
繋ぐ確かな利益 重なり合って 見える権利者 援用権者
君を守りたくて 背負う保証人 時効 援用 認められた
変わらない 連帯でも
一人行使した援用は そう相対効
裁判上で請求して 承認をして
時効の完成 阻止したいもっと
時効利益棄てた からだかと言え それは 相対効 他に及ばない
知らず小さな承認 なされた場合 信じる 債権者は 君はもはや
時効利益 捨てたんだと
信じた期待守る制度は そう「信義則」
解説
これはひどい。前に作った歴史の替え歌の比にならない位ひどい。やっぱ企画自体に無理がありましたね、うん。まあすると決めたからには開き直って解説をしましょう。この替え歌のテーマは「時効」です。正確には「取得時効」と「消滅時効」ですね。一番に当たる部分が取得時効、後は消滅時効についてです。取得時効とは土地を10年善意無過失で占有した場合もしくは20年悪意または有過失で占有した場合、土地の所有権を取得できるという制度です。また、占有者の承継がある場合、善悪の判断は前の占有者を基準にして行われます(重要)。消滅時効は債務を十年で消滅させる制度ですが、当然ながら債権者から「請求」があった場合や、自分が債務の一部支払いなど債務の「承認」を行った場合、消滅時効は中断します。あくまで放置された債権を消滅させる制度なのです(これは取得時効も変わりませんが)。あと色々細かい用語は自分で調べてください。
「メモリーズ・ラスト」
私が認めて代理した とある契約の最中で
利益の額を飛び越えて 私服肥やしてた
過ぎ去った契約(こと)は 戻せないんだ
相手方は思うよね 「それでいいんだ」と
知らず知れない 相手に 法がくれた保護
壊れてた この行為 有効だから
でもねそう 相手が 知っていたなら
大丈夫 止められる そんな例がある
心裡留保がこの場合 とても合うから
名前も言わないなんて 無効要件だってこと
瑕疵(キズ)だらけの代理人に 移った契約
指名した人は 問題ないから
代理人の行為能力 問わず消せず
忘れないよ 代理権 取り消しされても
もし君の 代理権 範囲外でも
今でも 代理権 持ってなくても
表面上 与えた 事実があれば
表見代理は成立 善意無過失で
無権代理は 無効だけれど
追認は遡ってく その効力を
忘れないで 追認 なされなくても
変わらずに 催促し 求めていくんだ
善意で 過失ない 相手方なら
責任を 求めれる 取り消し得うる
過失有っても取消権 ならばあるから
解説
一つ目よりマシ。中々替え歌っぽいのではないでしょうか。例によって細かい所は自分で調べていただくとして、今回のテーマは「代理」、その中でも特に重要げな「無権代理」とその中の一つ「表見代理」を重視しました。ただ残念な事にその両方を一つの歌に無理やりねじ込んだせいで割と重要な事が抜けてたりしますので、今回はその欠陥部分についての解説を。
無権代理行為についてよく問われるのは「相続」について。例えば無権代理行為を行ったAさんが、代理権を与えたという設定を勝手に付加されたBさんを相続した場合、はたまたその逆にBさんがAさんを相続した場合ですね。
Aさんが相続した場合、契約は有効になります。何せ困るのはアホのAさんだけですし。ただBさんが生前追認拒否を表明していた場合、その時点で契約が無効になります。後Aさんが誰かと共同相続をした場合も別。何せ困るのはアホのAさんだけでは無いのです。
問題はBさんがAさんを相続した場合。 BさんはただアホのAさんの被害にあっただけの可哀想な人なので、追認を拒絶する事は出来ます。ただ、アホのAさんをなまじ相続してしまったが為に、Aさんの罪まで相続してしまったとみなされてしまいます。つまり、無権代理人の責任を求められることはあるのです。まあ要するにアホの遺産を相続なんてしない方がいいという事です。